先程のブログの繰り返しになるけど、箱根駅伝は20km以上が10区間。山登り・山下りの特殊区間もある。有名大学であっても、優勝を狙う陣容を揃えるのはとても難しい。
この条件をクリアしたとしても、好成績を残すためにはチームビルディング(チームの構成メンバーがそれぞれの長所や特技・能力を生かし、チームとして思いをひとつに目標達成のために行う取り組み、組織づくり)が必要不可欠に思う。
チームビルディングで具体的に実践するのは、
・チームの方向性・目的を明確にして共有する
・自主性・自発性を尊重する
・各メンバーの役割を明確にする
・多様性を認める
・コミュニケーションをしっかり取る、といったこと。
教育の現場においても、チームビルディングのエッセンスは重なる。
箱根駅伝ネタで、このチームビルディングの好事例を2つ紹介したい。
1.学連選抜 原晋監督
今や箱根駅伝の最強校、監督として最も著名で実績充分の原晋さん。08年関東学生連合選抜チームの監督として箱根駅伝の監督デビューを果たし、選抜チーム歴代最高位の4位にまとめている。
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「成功に必要な3つの力、生活力、チームカ、競技力のうち、『チームカ』を高める必要性を感じていた。学連選抜が弱い理由は簡単だった。その集団で戦う理由がないから。だったらその理由を作ればいい」
2.大東文化大学 真名子監督
2022年4月に就任した真名子監督主導のチームビルディングにより、短期間でチーム全体のパフォーマンスを高め、6か月後の箱根駅伝予選会でトップ通過、2023年大会で4年ぶりの本選出場を果たすと、2024年大会は本選で10位に入り、来期のシード権を獲得している。
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「高校の監督時代、みんなに言っていたのは、とにかく愛される選手になりなさいということです。自分の評価は他人がするもの。だから周囲に、人に愛されないとダメなんです。愛される選手になるためにどうしたらいいのか。例えば、『君のことを応援したいと言っている人が横を通った時、素通りするのと、いつもありがとうございますと言うのでは、君はどう思う?』と聞くんです。生徒は『後者のほうが良い印象を受けます』と言うので、『では、それをやろう』と何回も何回も繰り返し言っていました」
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「与えられた練習メニューに対してどういう気持ちを持って取り組むのかが非常に大事だと伝えています。雰囲気的に強くないチームに、質の高い練習をやらせてもできないんです。だから、練習そのものよりも、練習に対する取り組み方、目標に対する自分のプロセスをしっかり考えるところからやっていこうと選手には話をして、進めていきました」
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「月1回の大掃除があります。通常、毎朝8時から掃除をするんですけど、月1回全員でやろうということにしています。あとは、誕生会ですね。その月の誕生者をお祝いするんですけど、ケーキを買ってきて、夕食はすき焼きにして、3、4年生はお酒も飲みます。そういうのを面倒臭いと思う学生もいると思いますが、この誕生会はうちが創部57年目なんですけど、その当時から続けてきたものなんですよ。それを学生たちも感じていて、うちらしいファミリー感を出す行事だと感じて楽しんでいますね」
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「学生たちに言ったのは、力足らずと力を出し切れずでは、反省する内容が変わってくるということ。出し切れていないなら競技者として心の成長をしないといけないし、準備段階で何が足りなかったのか考えないといけない。」
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「箱根駅伝の優勝って、誰もが取れるものじゃない。そういう特別なものを取ろうとするのであれば、普通の学生が当たり前にしていることや当たり前と思うことを、捨てていかないといけないと思うんです。人間には私利私欲があるけど、それを一般の普通の学生と同じように捉えてはいけない。この前、ある学生が『推しのアーティストのライブに行きたい』と言ってきたんです。でも全日本で惨敗したなか、今、行くタイミングなのかと。もちろん、行きたい気持ちは分かります。箱根が終わった1月から3月頃なら、どうぞ楽しんでこいって送り出します。でも、箱根を前にした今は、そういう時期じゃない。それでも行きたいならどうぞと言ったら『認識が甘かった』という答えが戻ってきたので、僕は『分かってくれてありがとう』と伝えましたね」