前回の続きで牛乳の話から。

牛乳の殺菌方法には高温殺菌と低温殺菌(pasterized)があって、低温殺菌には 72℃15秒間と63℃30分間の2種がある。いずれも低温で殺菌するため、ビタミンや芳香成分などを分解したり破壊したりしないのと、熱によるたんぱく質の変性が少ない。

一方、高温殺菌ではビタミンが失われたり、タンパク質が変性したりするので海外では好まれない。オーストラリアでのシェアはたった7%。スウェーデンやノルウェーではなんと0%。北欧では高温殺菌牛乳は『死んだ牛乳』と呼ばれている。(翔栄ファーム「農場だより」より抜粋)

日本では超高温殺菌牛乳(130~135℃で2秒の超高温殺菌処理)が多く、そのシェアは95%以上と言われている。低温殺菌牛乳は見つけるのに苦労するほど一般のスーパーでは見当たらない。タカナシ牛乳とか白バラ牛乳くらい。日本の牛乳売上高トップ3は明治、森永乳業、雪印メグミルク、3社とも超高温殺菌牛乳。

タイで一般的に販売されている牛乳は低温殺菌牛乳。ビックCエクストラの店頭調査だと、全商品が低温殺菌牛乳だった。あまり主張していないのでわかりにくいけど、以下にアップした6点すべてにPasteurized(低温殺菌)と表示されている。

低温殺菌ヤギ乳もあった。

そして、明治はタイでもかなりのSKUを確保して商品販売している。明治もタイだと低温殺菌牛乳!さらにラクトースフリーの牛乳も販売している!

明治もタイでは何故かエシカル。。タイ在住の身としては良いことだけど。

ところで、タイ人は比較的あまり牛乳を飲まないようだ。

世界で最も牛乳消費量の多い国はフィンランドで、年間132.4kg/人。日本は31.6kg/人。(いずれも2012年統計、Alic=独立行政法人農畜産業振興機構より)

タイは日本より更に少なくて、21.5kg/人。(2022年統計、タイ保健省保健局発表より)

一方で、砂糖とMSGの消費量は凄まじい。。

タイの砂糖消費量は年間45~48kg/人、日本人の約3倍もの砂糖を消費している。(2018年統計、alic資料)

そして、MSG(グルタミン酸ナトリウム)。

タイのMSG消費量は年間1260g/人 日本人は700g/人。ほぼ倍に近い量だ。タイローカル食堂での豪快な使いっぷりをみると、実態はもっと消費しているように思う。

スーパー店頭では3kg袋が売られていたりする。

3kg袋で売られているMSG
MSGは、食塩や砂糖に負けず劣らずのSKUで売られている

Iodized salt(ヨウ素添加塩)が売られていて、国民の健康奨励をしているタイだから、砂糖とMSGに対する接種制限の啓蒙活動を行うと国民の健康状態は更に良くなるのにと、個人的に思う。

牛乳と砂糖とMSG
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